岩手の銘酒
南部美人
南部美人  緑に覆われた山々は、標高千メートル以上という峻嶮さをもち、その山々からは清冽な水がやむことなく流れつづけている岩手県は、日本で一番大きな県で、四国全県の面積に近いという広大な土地に約142万人の人が住んでいます。二戸市はその最北端にあり、東に陸中海岸国立公園、西に八幡平国立公園、十和田湖、市内に折爪馬仙峡自然公園と、豊かな自然の恵みに包まれている小さな街です。
 歴史的にも二戸市には、奥州南部氏の傍流であった九戸城跡があります。その昔、この城は長い間奥州の一武将、九戸政実(まさざね)の居城でありましたが、豊臣秀吉によって攻め滅ぼされ、秀吉による奥州仕置きの締めくくりとなった合戦の地、全国統一の最後の場所、中世終焉の舞台となっています。
 また、北は青森県八戸市から南は岩手県一戸町に至る地区は、一戸から九戸までの地名が並ぶ珍しい地方です。これは「糠部(ぬかのぶ)郡九か戸の制」等とよばれるもので、その由来には、「戸」が古代律令制度下の「編戸」に関わるものであると推察される説と、鎌倉期に設けられた牧場制度(門戸の制)に由来するというもので、領内馬産地経営の政策として、九ケ戸制を敷き、一戸に一牧場・七ケ村を配し、東西南北の四門を置いたという説があります。  このような、大自然と悠久の歴史をもつ二戸市に、久慈酒造合名会社はあります。創業は明治35年ですが、「南部美人」という銘柄は昭和26年に、当時二戸税務署長を勤めておられた故伊藤正署長とこの蔵の会長久慈秀雄氏が、全国的に精米歩合も低く雑味の多い甘い酒が主流の中で、綺麗で美しい酒を造りたいという思いと、岩手県二戸市は昔から南部の国と称し呼ばれており、素晴らしい自然、風土と豊富な水の恩恵に恵まれた土地で、このことから地名の南部と綺麗で美しい酒質イメージから「南部美人」と命名しました。
 その南部美人を醸すのが、平成4年に国の卓越技能者「現代の名工」を受賞した、南部杜氏の山口一杜氏です。山口杜氏は、南部杜氏自醸酒鑑評会において、連続40回以上優等賞に入り、特に昭和54年、55年には連続して首席となり、大蔵大臣賞を受賞しました。また全国鑑評会では近年12回中、8回金賞を受賞しているベテラン杜氏ですが、「酒造りは何回やってもわからない。何よりも、米と麹と水の相性を知るために千変万化する自然の水の性格を掴むのが難しい。だから毎年が一年生。」と口癖のように話します。
 また、原料米のほとんどが岩手県産米で、美山錦、トヨニシキを中心に、平成5年の大凶作の年に、沖縄県石垣島から種もみの増殖協力を頂いた岩手県オリジナル品種である「かけはし」などを、平均精米歩合を59%まで磨き上げ、仕込み水には折爪馬仙峡の中硬水の伏流水を使用し、南部流手造り技法をもちいて醸す酒は、非常に優しいが酒質の絶妙なバランスと切れ味の良さを特長とします。
 現在では山口杜氏と5代目蔵元の久慈浩介氏が「熟練の技と若き情熱と力の融合」を目指して究極の酒造りに挑戦中です。21世紀へと手造りの技を南部美人は継承していきます。


商 品 名容量価格(税込)原料米精米歩合日本酒度酸度
純米吟醸生
1800

2,961
美山錦
麹50
掛55

+1

1.4
純米吟醸吟ぎんが
1800

2,940
吟ぎんが
麹50
掛55

+1

1.4
特別純米酒
1800
2,415 ぎんおとめ
55+11.5
出品大吟醸 雫
超限定鑑評会後発売
18008,400山田錦35+31.2
限定大吟醸〈生〉
限定5月発売
1800 6,300山田錦35+31.2