商店街振興組合は、昭和37年に制定された『商店街振興組合法』に基づき設立された商店街の法人組織であり、共同してアーケード、街路灯の設置といった『ハード整備』や中元・年末の売出し、イベントといった『ソフト事業』を行い、公共の福祉の増進に努めています。
商店街はこれまで、地域社会と共に歩み地域に大きく貢献してきました。このことは商店街が今後も存在し、機能していく原点であろうと思われます。
しかし、近年各分野の規制緩和や大店法廃止の流れの中で、大型店の増加やロードサイドショップの増加、新しいタイプの無店舗販売といった新たな業態の出現など、既存の商店街を取り巻く経営環境は厳しさを増大させる状況になってきました。
一方、生活者は高齢化社会への突入、少子化から人口減少へ、極度の核家族化時代の到来といった新たな社会現象に起因するニーズの多様化と価値観の大幅な変化は、商業者にとって見逃すことが出来ない環境に至っています。
多くの商店街が経営環境の変化と生活者の変貌に対応しきれていない点は、すでに指摘されているとおりです。事実、商店街の地盤沈下は、来街者の減少、空店舗の増加として顕在化しており、商業者自身も認めるところとなっています。
以上のような商店街を取巻く環境を乗り越えるには、個店の活性化だけで対応するにはどうしても限界があります。商店街のメンバーが一丸となって街づくりを推進することが重要となってきているのです。
商店街のこのような状況に対して、各種支援策が用意されており、商店街がその支援策を活用しようとするならば商店街の法人化はどうしても必要となります。
商店街の法人組織化が実現しますと各種支援策の導入が容易となり、商店街生き残り策としてのビジョンの作成、共有がすすめられ、ビジョンを実現するための商店街組織開発へと道が拓かれてきます。それだけではありません、商店街が一体となって活性化に取り組むためには、対外的、法的にも認められた責任ある組織がどうしても必要となるわけです。